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【青柳透】女の子が大好きで大嫌いな話

今年の生誕ブログを書こうと思ったのですが、予備知識としてMCの内容が必要だと思ったのでこの記事ではMC原稿を載せようと思います。(去年2022年の生誕ブログは今年の後に更新予定なのでお待ちくだされ〜〜)
早速以下は生誕ライブの独白MCの原稿です。
※あとから言葉足らずだったなというところは()で補足しています!


近年はいろんな作品が10周年ということで、とおる自身もディアステージ に出会って今年でちょうど10年くらいになります。でんぱ組.incさんやアイカツに出会って、ディアステージ を知ったのがちょうど10年前になります。そこで、どうして今の"青柳透"という存在が生まれたのか、自分なりに考察してみました。ということで今回は、「女の子が大好きで大嫌いな話」と題して話していこうかなと思っています。今まで話題にすることも避けてきたことなので、とおるの解像度が上がると同時に、センシティブな内容にもなっているかもしれません。そういった話が苦手な方には申し訳ないです。

「女だから家事が出来なくちゃ」、「女だから学歴なんてなくていい」、「女だから若いうちは水商売で生きていける」こういった言葉によって、自分が好きで選んだわけでもない女性として生まれてきたことを恨みました。小学生の頃「何で男っぽいことに固執するの?」といった言葉をかけられた時、自分でもなぜなのかがわからなかったし、制服を着て学校に通うのが辛かった理由がわかりませんでした。(辛いような気がしているだけなんじゃないかとか、この辛さは一過性のものなんじゃないかとか、当時それはそれは考えました。)

だから堂々と女の子として可愛いをして生きている人たちに憧れたし、そういう人たちをみて三次元の女の子が大好きになりました。
自分の足で立って歩いている女の子たちを観ていると「女の子って、存在しているだけでなんて人に希望を与えるんだろう」という幸福感でいっぱいになって、自分の現実が辛過ぎる時も現実逃避ができました。
だから自分もそこに行けば救われるんだと信じて疑わず、そうやって高校生の自分は衝動的にこの世界へ飛び出しました。
(自分が女性であることに嫌なイメージがついていたため、そもそも根本から)自分に自信がなかったので、最初は憧れた人たちになろうとしました。でも、(自分で目指した癖に、自分を出すのが怖い癖に)偽りの自分が愛されていくような気がして苦しかった記憶があります。だから、やっぱり自分らしくいても愛されたいと思うようになりました。

長い期間同じ衣装を着ている(リリース期間等は同じ衣装を着続けることが多い)と、学校の制服を着て辛かった当時を思い出しました。制服は「自分を女性ですって周りに言っているような気がして嫌いだったんだ」とそこでようやく気がつきました。(そんなことから、このままでは)自分の中のバランスが崩れていってしまうと思い、衣装はパンツスタイルにしてもらうことが多くなりました。
でも昔から男性になりたいとかではなくて、自分には自分の中に自分が自分でいられるバランスがあるんです。改めて「どんなに素敵なものでもフェミニンすぎたりマニッシュすぎるものを身につけ続けることは難しい」ということがわかりました。
でもそれを自覚するたびに、自己険悪になりました。「他人から女性を貶めるような発言をかけられて自分自身が女性であることが嫌になって、今まで自己形成をしてきてしまったんだ」と思うと、結局堂々と女の子ができない自分は、自分自身の存在そのものがもうその象徴というか、女の子のことを貶めているってことになるんだなと思ったからです。長い髪の毛を乾かしていると夜に自己険悪してしまうので髪の毛は切りました。本当に自分は女の子が大好きだけど女の子が大嫌いすぎるんです。

<女々しい>という言葉のように、女性が貶められている風潮によって、男性側も「女々しくなるな」と強要されることにより嫌な気持ちになるという話を大学の授業で聴きました。その時に、物心ついた頃からの疑問がようやく腑に落ちましたが、遅すぎました。一度そうやって自己形成をして大人になってしまった自分はもう戻りません。(自分自身、女に学歴なんていらないと言われていたのもあって「大学っていう大きな買い物をできなかった人間には教えてももらえないことなのかよ」って当時は本当に絶望したんですよね。)

女の子が大好きって言うと"セクシャルをカテゴライズしたがる人"がいるけれど、とおるは生物学的に分類したら女性、という事実それ以外に分類しないです。もちろんカテゴライズすることによって楽になる人もいると思うし、それを否定しようと思っているわけではないです。(カテゴライズって白黒はっきりしていてわかりやすいし、「とおるのことをもっと知りたいと思って聞いているんだろうな」って思えるくらいにはなれたので、「聞いちゃったことあるかもな」とかは考えなくても大丈夫だよ!)
少なくともとおるは何かに当てはめられたりすることは気持ち悪いと思ってしまうし、きっとこれからも考えは変わり続けるし、とおるは曖昧でいることが一番楽だという答えを出しました。

いつか髪の毛を伸ばし続けたり、可愛いお洋服を着続けたいと思えた時、安易に「男ができたんだろう」とか、ここにいるみんな(生誕イベントを見守ってくれている方々)には言われたくないです。可愛くないから女の子で居るのが辛いんだろうとか言う人がいるかもしれないけれど、そういう人にはずっとわからなくてもいい感情です。人間って、自分が経験したことでないと想像しても理解できない節があると思っているから、もし自分が自分として生まれてこなければわからなかった痛みだったと思うんです。反骨したいわけじゃなく、ただ自分を好きでいてくれる人には話したいなと思ったので今回このお話をしました。(甘い言葉をくれる人をまわりに置くのとはまた違って、本当に青柳透を好きでいてくれる人たちをもっと信じていきたいって思ったの!そう思えるようになったのも、応援してくれている君のおかげです。)

結論としては、穏やかに時代に合わせてゆるりゆるりと上手に生きていたいだけなんです。だから自分は女の子が大好きで大嫌いな、今の"青柳透"という存在になりました。(今の考えを持てたのも、君が応援してくれている"青柳透"という存在になったからだなと思います。)気難しい人間で本当に申し訳ないですが、そんな自分を応援してくださるみなさんを誇りに思います。「結局何の話だったんだ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ニュアンスさえ伝わっていたらなと思います、曖昧で良いです。(簡単に言うと「多様性と一纏めにカテゴライズされたいわけでもなくて、事実は事実としてやっとみんなに自分自身のことを話せる強さを手に入れたぜ!」というような話になるのかな…?)
以上になります、聴いてくださってありがとうございました。